人間界に重要な働きをもたらすミツバチの生産物
日本には“日本ミツバチ”“西洋ミツバチ”の2種類のミツバチが生息しています。
日本ミツバチ | 西洋ミツバチ | |
写真 | ||
体 の 特 徴 |
体全体は黒っぽい。 胴体のしま模様がハッキリとしている。 西洋ミツバチよりも 一回り小柄。 |
体全体は黄色っぽい。 胴体にしま模様がある。 しま模様は胸の近くになるほど幅が狭く、お尻に近付くほど黒い幅が広くなってくる。 |
体 長 |
女王蜂:13~17mm 働き蜂:10~13mm |
女王蜂:15~20mm 働き蜂:12~14mm |
群 の 数 |
数千~2万匹ほど(時期によって異なる) | 2万~4万匹ほど |
分蜂 | 頭を上に向けて並んで分蜂を形成。 比較的太めの木の枝の付け根付近でよくみられる。 |
頭の方向は不揃いで分蜂を形成。 木の小枝が混じる付近で よくみられる。 |
性格 ・対スズメバチ |
大人しい。 環境が悪化すると巣を放置して出ていく。 寒さに強い。 スズメバチの襲撃には集団で熱殺する。 (ただし集団で攻撃されたり、何日も巣の近くを飛び回られると巣を捨てて逃げる) |
日本ミツバチより攻撃的。 巣を捨てて逃げていくことはほとんどなく、スズメバチの襲撃には1対1で攻撃する。 (しかし数時間で群全体が全滅してしまう) |
蜂蜜 | 1匹の働き蜂が 一生の間に集める蜜の量は 小さいスプーン1杯程度。 蜂蜜の価格は高い。 |
1匹の働き蜂が一生の間に集める蜜の量は 日本ミツバチの5~6倍。 蜂蜜の価格は安い。 |
日本での養蜂でお馴染みのミツバチは、ほとんどが西洋ミツバチで、普段わたし達が口にしている「ハチミツ」はほとんどが西洋ミツバチが生産しているものです。
花の蜜からハチミツが出来ていることはご存知でしょうが、ハチミツはミツバチが集めた花の蜜とは違います。
花の蜜だけでは、ハチミツのあの甘い味にはなりません。
ミツバチがつくるハチミツ
ミツバチの働き蜂は、蜜をためる機能がある、「蜜のう」という場所に蜜をためて、巣に花の蜜を持ち帰ります。
花の蜜を蜜のうにためた状態で巣に帰ると、働き蜂の体内にある酵素の働きで、 「ショ糖」だった花の蜜の成分が「果糖」と「ブドウ糖」へと変化していきます。
これを口移しで巣の中で待っている他の働き蜂に渡し、それを巣にある小さな六角形の蜜をためる部屋の中に入れます。
そのままでは水分が多いのですが、巣の中には幼虫や働き蜂がいるため、その体熱や運動の熱で蒸発します。
さらにミツバチたちが飛んだり、小刻みに翅を羽ばたかせたりすることで風が起き、水分を蒸発させます。
このような行程を経て、3日ほどで糖分が8割、水分が2割で構成された濃度の高いハチミツとなり、蜜ロウで蓋をし、ミツバチ達の保存食となります。
(※蜜ロウ=働き蜂が構成する蝋(ろう)を精製したもの。蝋は働き蜂の蝋分泌腺から分泌されている)
いろんな花で出来るハチミツ
ひとことで“ハチミツ”と言っても、さまざまな味や香りのハチミツがあるのをご存知でしょうか?
ミツバチが採集する花の種類によって出来上がるハチミツの色や香り、味の違いがあり全く別のものにまります。
また同じ花でも、ミツバチが採集する時期や場所などによっても色や香り、味が変化します。
色々な種類のハチミツが販売されていますが、市販されているものでよく見かけるの代表的なものが「レンゲ」のハチミツです。
種類 | 特徴 |
レンゲ蜜 | 日本を代表するハチミツ。 透明感のある薄い色と上品な味が多くの日本人の好み。 |
ミカン蜜 | 九州で多くとれるハチミツ。 ミカンのほのかな甘酸っぱさと香りが特徴。濃い黄色。 |
アカシア蜜 | レンゲに似た上品な味で日本人好みの味。 淡白な味と優しい香りで、結晶しにくいのが特長。 |
ソバ蜜 | 黒に近い茶色で黒砂糖のような個性的なハチミツ。 栄養価が高く独特な味と香り。 |
トチ蜜 | 淡白な味と高い香りが特徴。 やや黄色が強くデザート、飲料系に向く。 |
クローバー蜜 | 世界で最も人気のハチミツ。 フローラルな香りでスッキリとした優しい味。 |
ローズマリー蜜 | サラッとした口当たりと優しいハーブの香りが特徴。 淡い色で味にもクセがない。 |
百花蜜 | いくつもの種類の花から集められたハチミツ。 場所や時期によって味や香り、色も異なり比較的安価。 ミツバチが舐めているハチミツそのもの。 |
上記の表以外にもたくさんの種類のハチミツがあります。
またミツバチが生産するものはハチミツ以外にも、ローヤルゼリーやプロポリスなど健康食品や化粧品などの材料に使用されるものも多くあり、人間界に重要な役割をもたらしています。
養蜂されているミツバチも、野生のミツバチも基本的には大人しい性質で、こちらから危害を与えない限り刺してくることはほとんどありません。
そのため益虫の代表的な存在ですが、野生のミツバチが人家に巣をつくってしまった場合、膨大な数に繁殖し、巨大な巣をつくってしまい、住宅にさまざまな被害をもたらすため、駆除する必要があります。
ミツバチの巣は非常に大きく、また床下や壁間、天井裏などの閉鎖された空間につくることが多いため、蜂駆除専門の業者へ依頼しましょう。
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