スズメバチ 刺傷被害と活動期間
「スズメバチ」は、ハチ目スズメバチ科に属する昆虫の中のスズメバチ亜科に属するハチの総称です。日本には3属17種のスズメバチが生息しています。
日本に生息するスズメバチの種類 | ||
属 | 種類 | |
スズメバチ属 | オオスズメバチ | キイロスズメバチ |
コガタスズメバチ | モンスズメバチ | |
ヒメスズメバチ | チャイロスズメバチ | |
ツマグロスズメバチ | ツマアカスズメバチ | |
クロスズメバチ属 | クロスズメバチ | シダクロスズメバチ |
ツヤクロスズメバチ | キオビクロスズメバチ | |
ヤドリスズメバチ | ||
ホオナガスズメバチ属 | キオビホオナガスズメバチ | シロオビホオナガスズメバチ |
ニッポンホオナガスズメバチ | ヤドリホオナガスズメバチ |
スズメバチの刺傷被害
夏から秋にかけて猛威を振るうスズメバチは、他のハチ類よりも攻撃性が高く、毎年多くの命が犠牲となっています。
蜂に刺されることで起こる死亡事故は、毒蛇や熊による被害件数を上回る数が報告されています。
最盛期となる夏以降が特に危険な時期となり、働き蜂の増加に伴い、巣の規模が拡大され防衛本能の上昇や、秋口にかけてエサの減少による苛立ちなどから攻撃性が増した蜂が刺傷被害を引き起こします。
こうした蜂の刺傷被害の増加は、巣の拡大やエサの減少だけが原因ではなく、そもそも蜂の都市部への侵入し、スズメバチが都会に適応するなど、人間の生活圏に多く巣をつくるようになってきたことが大きな原因です。
スズメバチの中でも特にキイロスズメバチやコガタスズメバチは、場所を選ばず巣をつくることが出来るため都市部で活動するのに適した性質を持っています。
スズメバチをはじめとする蜂は、猛暑で気温が高い年ほど個体数が増え、より危険性が高まります。
山間部や森林地帯などで蜂に刺されてしまうと、付近に医療設備が十分にないことや、搬送までの時間がかかりすぎるため、死亡事故が多く発生しています。
林業関係者や登山、ハイキングなど山間部や森林地帯に行く際には、蜂に十分に気を付けてお出かけください。特に日本で最も大型で攻撃的な危険性の高い「オオスズメバチ」は、地中や木の根元、樹洞など気付きにくい場所に営巣するため、知らない間に接近していたり、付近を歩き振動を与え刺激してしまい集中攻撃をうけてしまうことがあり、毎年多くの被害が報告されています。
スズメバチの活動期間
スズメバチを含むハチ類の多くが春から秋にかけて活動しています。
スズメバチは女王蜂以外、越冬することが出来ないため、女王蜂以外の働き蜂は種によっても異なりますが、それぞれの活動期間が終了すると秋頃にはその生涯を終えます。翌年の新女王となる蜂は、寒くなってくると越冬場所を探し、じっと春が来るのを待ちます。
春が訪れる頃のスズメバチの女王は非常に弱っており、巣をつくりだす前に、空腹で弱った体に栄養を補給するためエサとなる花の蜜や樹液などをなめ、そこからたっぷりと栄養を蓄えながら、十分に体力を回復させます。
十分に体力を回復させたあとはいよいよ巣づくりの開始です。この頃のスズメバチはほとんど攻撃性がなく、蜂を握ったりしない限り攻撃してくることはありません。
働き蜂が誕生するまでは女王蜂が単独で巣づくりを行い、働き蜂が誕生しはじめると女王蜂は巣から外に出ることはなくなり、産卵に集中するようになります。こうして働き蜂の数をどんどん増加させ、巣の規模を拡大し、8月から10月頃まで繁殖のピークを迎えます。
スズメバチが活動している期間は、種によって異なりますがおおよそ4月頃から10月下旬頃までは活動しています。
被害の多いスズメバチ属のうち、最も早く越冬から覚め巣づくりを開始するのがキイロスズメバチです。最も長く活動している種でも12月には、ほぼ全ての巣の活動は終了します。
12月以降の巣には蜂がいることはありません。また翌年以降に巣を再利用することもありません。
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