蜂からの警告、蜂の威嚇行動を知っておこう!
刺されると危険だと知られる「蜂」も、本来は人を刺す生き物ではありません。
しかし毒針を持ち、刺されるのは痛そう、怖いというイメージがあるのではないでしょうか?
毎年夏から秋にかけて多くの犠牲者を出している凶暴な蜂ですが、例えば単体で飛んでいる蜂を見かけたからと言って、あまり怖がる必要はありません。
蜂が人を刺すのには、きちんと理由があります。
それは、巣や自分自身を守る「防衛本能」が働き“巣が攻撃されている”“仲間が攻撃されている”“自分自身が攻撃されたと認識した”などの場合に、ヒトを攻撃するのです。
そのため、基本的には巣に近付かない限りほとんど刺してくることはないのですが、あえて巣に近付かなくても、巣があると知らずに大声を出したり、足音などの振動が蜂を刺激していたり、飛んできた蜂に驚いて振り払ったりすると、蜂は攻撃されたと認識してしまうことが多く、攻撃を仕掛けてくるのです。
しかし!蜂は、敵と判断したものに対して、攻撃を仕掛ける前に、警告ともいえる“威嚇行動”をしてくることが分かっています。
蜂の警告には注意!
巣が近くにあることに気付かなかった場合、知らず知らずのうちに蜂を刺激してしまうかもしれません。
その場合、蜂がするある行動で、威嚇されている、または警告されていると気付くことが出来る蜂の行動があります。
- 敵かもしれない、または敵と判断したものの周囲を飛び回る
- 小刻みに羽をはばたかせるなどして、羽音をさせる
- 大あごをカチカチとならす
- 空中でホバリングしながら狙いをつける(特に黒っぽい色である頭や目を狙われやすいので注意)
特に気性が荒く、危険だとされるスズメバチは、巣や自身に危害を与えるもの以外にも、幼虫のエサとなる昆虫を採取している時やエサ場を荒らすものなど、邪魔をされると判断した対象物を全て敵とみなします。
敵が巣に近付いて来たり、攻撃を仕掛けられたりした場合、まずは相手が敵なのか判断するため偵察をはじめますが、相手を敵だと判断してしまうと「これ以上近付くな」という警告をしてきます。
この警告に気付かなかったり、無視をしているとまたたく間に、巣から一斉に仲間の蜂が飛び出して、一斉に攻撃をしてくるため非常に危険な状態となってしまいます。
仲間の蜂が一斉に飛び出してくるのは、蜂が放出している「フェロモン」が関係しており、偵察・警告中の蜂が、巣の仲間に“敵が来たぞ!”と知らせるニオイ物質で、警告を無視しているとこれを噴射し、このフェロモンに反応した仲間の蜂たちが、興奮して集まり、警告なしに敵を攻撃しだします。
警告をされた場合は、巣から離れていくと攻撃してくる可能性は低くなりますが、興奮状態にある場合は数十メートルは追いかけてくることもあるため、注意しましょう。
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