駆除しても再発の恐れがあるアシナガバチの巣
毎年多くの被害が発生している「蜂」
基本的にはこちらから刺激しなければ攻撃してくることはありませんが、気付かないうちに蜂の巣に近付きすぎていた時や、蜂が近付いてきたために慌てて振り払ったり激しい行動をした時など、蜂に敵だと判断された場合刺されてしまう危険性があります。
特に攻撃性の高いスズメバチは、種類や時期によっては非常に危険な場合がありますが、「アシナガバチ」はおとなしい性格をしているため、一般の方がご自身で駆除を行う場合も、十分な装備をして行えば安全に駆除を行うことが可能です。
ただし「アシナガバチ」は、毛虫やカメムシ、イモムシなどの害虫を幼虫のエサとしているため、益虫ともされています。
人の出入りの多い場所や、特に危険な場所ではない限り、益虫としての側面を大事にするという意味でも上手に共存していきたい蜂です。
アシナガバチも毒を持っています
蜂に刺されると言うと、「スズメバチ」によるものを連想しやすいのですが、おとなしい性格をしているアシナガバチも毒針で人を刺します。
アシナガバチの毒は、スズメバチに比べると弱くなっていますが、過去にアシナガバチに刺されたことがある場合は、アナフィラキシーショックにより死亡することもあるため注意が必要です。
※アナフィラキシーショックとは、アレルギー反応の一種で、外来抗原に対する過剰な免疫応答が原因でショック症状を引き起こすことを言います。
また、刺された時にはスズメバチよりも痛いとも言われています。
アシナガバチの種類と被害
アシナガバチは世界で約800種、日本では3属11種が生息しています。
アシナガバチ属 |
セグロアシナガバチ |
フタモンアシナガバチ |
トガリフタモンアシナガバチ |
キアシナガバチ |
コアシナガバチ |
キボシアシナガバチ |
ヤマトアシナガバチ |
チビアシナガバチ属 | ホソアシナガバチ属 |
ナンヨウチビアシナガバチ | ヒメホソアシナガバチ |
オキナワチビアシナガバチ | ムホンホソアシナガバチ |
日本に生息する以上のアシナガバチ11種の中でも「セグロアシナガバチ」「フタモンアシナガバチ」「キアシナガバチ」の3種が被害が多い種となっています。
セグロアシナガバチ | フタモンアシナガバチ | キアシナガバチ | |
蜂 | ![]() |
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体長 | 21~26mm 日本のアシナガバチの中では最大 |
14~18mm 小型 |
21~26mm |
特徴 | アシナガバチの中では攻撃性がやや強く、6~8月に巣を刺激して刺されるケースと、10~11月に巣を離れた新女王が洗濯物や布団にもぐりこんで被害にあうケースがある。 | 腹部に黄色い斑紋があることによりこの名前がついた。 市街地や草むら、畑などがある家の周辺でみられる。 |
体の大きさがセグロアシナガバチとほとんど同じで、体全体が黄色っぽい色をしている。 攻撃性はアシナガバチの中では強い。雑木林や緑地が多い場所でみられ、市街地ではあまりみられない。 |
巣 | ![]() |
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巣の特徴 | 巣には50匹以内の働き蜂。育房数は200房未満。 最盛期には巣の形はほぼ円形(円盤状)になることが多く、最大で直径15cm前後になり巣上に無数の穴や白い幼虫などが見える。繭キャップの色は白色。 |
働き蜂は50匹ほど。育房数は大きなもので300~1000房ほど。 形は営巣場所により違い不規則な形ですが、大きさは最大で10cm前後になり巣上に無数の穴や白い幼虫などが見える。 植物の茎や垂直な壁面等に横向きに巣を作ることが多い。 |
釣鐘状の均整の取れた巣を作る。 繭キャップの色は白色。 |
営巣場所 | 開放空間 | ||
軒下・木の枝など | 軒下・屋根瓦の下・木の枝・草むらなど | 軒下・木の枝など |
アシナガバチは軒下や庭の木の枝などの壁におおわれていない開放的な空間に巣をつくり、その形状は、シャワーヘッドのような形をしており、六角形の部屋のひとつひとつはっきりと見え、無数の働き蜂が巣に止まっている姿を見ることが出来ます。巣の材料は植物繊維や泥がほとんどのため、灰色~茶褐色をしていてスズメバチの巣のような模様はありません。
アシナガバチの巣の駆除を行っても、駆除時にいなかった(エサ取りや巣の材料集めに出かけていたなど)働き蜂によって再度同じ場所に巣をつくられてしまうことが多々あります。
蜂駆除専門業者へ依頼をする時は、再発保証がついているかなどをチェックしておくことをオススメします。
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