気になる!ネズミ駆除・退治方法について
ネズミ駆除は「環境的防除」「物理的防除」「化学的防除」の3つに大きく分類します。
環境的防除は、ネズミの侵入や増殖等を未然に防ぎ、日常的にネズミの侵入に適さない環境を整えることで永続的な効果が得られます。
一方で、物理的防除・化学的防除は、ネズミが家屋内などに侵入している場合に行う、いわば緊急的な対策と言うことができ、効果の即効性が求められる防除方法です。
環境的防除 | 侵入に適さない環境を整えることによって行う防除方法 |
化学的防除 | 化学合成や天然由来の薬品を使用して行う防除方法 |
物理的防除 | 物理的手段を用いて除去することによって行う防除方法 |
環境的防除
環境的防除は、ネズミが生息しにくい環境を整え、それを維持していく防除方法です。
環境的防除は、即効性があるものではなく、ネズミが生息している場合でも生息していない場合でも有効で、実際にネズミ駆除を完全に終了させようと思った場合に、最も効果的で重要な防除方法です。
具体的には、ネズミが生息できないような環境をつくることで、エサとなるようなものを与えないこと、巣の材料となるようなものを与えないようにすること、ネズミの侵入や移動が出来そうな穴や隙間を塞ぐことが大切なのです。
エサを与えない | ネズミが建物内に侵入してくる原因の最大の理由がエサを求めに侵入すること。 ネズミがエサとするものは、人間が食べる物はもとより、ペットフード(犬・猫・小鳥・爬虫類・昆虫等)、肥料、花や球根類、固形石鹸、生きた昆虫など多くのものがあるため、エサになると考えられる全ての物を密閉出来る容器に入れ、落ちているゴミも整理整頓したり、食べ残しを放置しない、食べかすにも気を付けるなどが必要。 |
巣を作らせない | 巣の材料となるものをなくすため、日常的に掃除や整理整頓を行い、室内を清潔な状態に保つこと。ネズミにとってエサを取るために長距離を移動する行為は、外敵に襲われるリスクが高くなるばかりか、その場所を他のネズミに取られるかもしれないというリスクがあり、基本的に、餌場と巣の場所は近くする事が多い。従って良い餌場を見つけたネズミは、その場所より数メートル以内に巣を作る。 この時タオルやゴミ袋等の巣材に適したゴミがあると、瞬く間に営巣し、住み着いてしまう。室内だけでなく屋外の清掃や整理整頓にも心掛け、不要なゴミ類は捨てること。 |
侵入させない | ネズミの侵入口となるような場所(通気口・屋根の隙間・雨戸隙間・配管引き込み口・シャッター上部など)を防ぐことで、出入りできない環境をつくる。トタン板や金網などを使い、侵入口をふさぐこと。 |
化学的防除
環境の安全等に十分に注意した上で、殺鼠剤(さっそざい)や忌避剤といった薬剤をしようする防除方法です。
殺鼠剤による防除は、ドブネズミ・ハツカネズミには市販されている毒エサで十分に対応が可能な場合が多いのですが、一部クマネズミは耐性をもっているものがいるので、それに対しては特に工夫が必要で、殺鼠剤による駆除は難しい場合が多くあります。
また殺鼠剤は、ネズミが1回の摂取で死亡する急性毒といわれる薬剤、及び数回の摂取で死亡する抗凝血性毒(血液凝固阻止剤)と呼ばれる薬剤に分かれます。
殺鼠剤は、ネズミに被害にあった食料や、好むエサに毒を混ぜます。(ネズミにとっておいしいエサでないと食べてくれません)
市販されているものは、強力な毒ではないので、数日間かけて何度か食べさせ続けることで効果があります。
ただしネズミは警戒心が強いため、毒エサを食べない場合があります。
この場合は、初めの数日間は毒が入っていないエサを置いたり、数日間そのまま様子をみたりなど慣れさせる必要があります。
また、ネズミが嫌いな猫や天然ハーブのニオイなど嫌がるニオイを配合し、追い払い寄せ付けない効果がある 忌避剤の使用も効果的です。
忌避剤は、ゲル・スプレー・くん煙タイプなど ネズミの種類や使用場所によって使い分けると効果的に使用できます。特に閉鎖的な空間で使用すると効果が出やすいでしょう。
ネズミにかじられては困るという場所には、味覚忌避剤等を使用し、予めかじられては困る所へ処理しておくと齧り防止にもなることがあります。
さらにスプレータイプの忌避剤は、ネズミの侵入口や通り道だけでなく、配線周りなどにスプレーしておくと、配線周りの被害が防止できます。
忌避剤は、齧られては困るものに予め使用しておくと効果的です。
忌避剤を使用する際は、火災感知器や電子機器、子供のおもちゃ、ペット、食品等にかからないようご注意下さい。即効性があり数日間効果が持続します。
物理的防除
ネズミ用捕獲器や粘着シート、超音波防鼠機などを用いて捕獲したり排除したりします。
ネズミはほとんど決まった通り道を通るため、特にラットサインがある場所に重点的に設置することが多く、その他にも防鼠パテや金網などを使用し、物理的に侵入させない方法もあります。
ネズミは非常に警戒心が強いため、数日間捕まらなくても防除をやめず、根気強くそのままの状態にしておくことが効果的です。
さらにネズミは人間が睡眠している間や、外出中などに行動するため、就寝前やお出かけの前に設置することも有効でしょう。
物理的防除は、家の構造やネズミの種類によっても効果が異なることがあるため、ネズミの種類を特定し、対策を練ることが重要です。
ネズミは硬い物を齧る習性があり、それは食べ物だけでなく、建材や家具、電気配線などにも被害は及び、電気設備を故障させたり漏電からの火災を引き起こす場合があります。
さらにネズミ自身や排泄物(糞・尿)は屋内や製品などを汚染し、多くのばい菌をまき散らかします。
そしてネズミ自身やネズミの巣には吸血性のイエダニが寄生し、繁殖します。大発生したイエダニが巣から離れて室内に入り込み、ダニに吸血されるといった二次被害ももたらします。 その他にも、さまざまな病原体や寄生虫を媒介し、食中毒や感染症の原因にもなることがあるため、早めの駆除をお勧めします。