家ネズミの特徴と習性
ネズミの駆除は根気がいるものです。
学習能力が高く、繁殖能力が非常に強いため、家に出たネズミを1匹駆除したところで完了ではありません。
状況によって、家に侵入してきたばかりの初期段階であれば、一般の方が市販のネズミ駆除グッズを使用して完全駆除を行うことが出来る場合もありますが、天井裏などで既に巣をつくっている場合や、ご自身で駆除を行った後の侵入口封鎖や、エサを与えない・巣をつくらせない環境をつくるなど、しっかりとした対策を行わなければ、ネズミが学習して、知恵をつけてしまいます。
その結果、さらなる被害が発生したり、その後の駆除が困難になる場合がほとんどです。
ネズミの特徴
ネズミの駆除を行うには、まずはネズミの特徴や習性などを知る必要があります。
駆除を行うものの基礎知識を知り、どのような習性があるのかを知ることは、駆除や対策を行う上で大切なことです。まずはおおまかに、ネズミの特徴や習性をにご紹介します。
1 | 常に硬いものをかじる |
2 | 夜行性 |
3 | 雑食性 |
4 | 小さい穴でも通り抜けできる |
5 | 学習能力が非常に高い |
6 | 環境への適応能力が高い |
7 | 集団でなわばりを持つ |
8 | 繁殖力に優れている |
9 | 物陰に沿うように行動する |
1.常に硬いものをかじる
ネズミの歯は一生伸び続けます。その、一生伸び続ける歯を削るため、常に硬いものをかじって歯を削るという習性があります。
歯を削らないと、前歯が伸び続けてしまい、エサを食べることが出来なくなって餓死してしまいます。そのため、さまざまなものをかじり、歯をすり減らしているのです。
この習性によってエサとなる食料だけでなく、壁や柱、家具や電気配線などもかじるため、漏電の原因となったり火災を引き起こすケースもあります。
2.夜行性
ネズミは基本的には夜行性のため、昼間はあまり活動せず、日没後や夜明け前に活発に活動します。
家ネズミのうち特にクマネズミは、天井裏などに営巣していることが多いため、夜中(睡眠中など)の騒音被害に悩まされます。
就寝前にはネズミのエサとなる、食べ残した夕飯や開封後の食料などは密閉した容器に保管するか、棚などに保管するなど放置しない工夫をしておくことが大切です。
3.雑食性
ネズミは人間やペットが食べるものであれば何でもエサとしてしまいます。
種によって好むエサの種類は多少異なりますが、人間が食べ物とするもの以外でも、家畜の飼料や観葉植物、植木、石鹸、線香など意外なものも食害します。
またネズミは体が小さく、胃が小さいので、1日の摂食回数が多いと言われ、1日に自分の体重の4分の1~3分の1の量を食べます。エサがなくなると、寒い時では1日で餓死してしまうと言われているため、ネズミを寄せ付けない住宅にするには、食料品やネズミがエサとしてしまうものは、出来る範囲で片付けておき、日頃から食べこぼしたら掃除するなど徹底した清掃を行うことも大切です。
4.小さい穴でも通り抜けできる
屋内と屋外を出たり入ったりしているネズミが使用する出入口(侵入口)は、思いがけないほど小さな隙間です。
大人のネズミで2~3cm、子ネズミでも1cm程の穴や隙間があれば侵入してくることが可能です。
一般的な住宅は、内壁と外壁、天井と床、というように壁が二層構造になっています。また、柱組みの隙間や水道・ガス・電気などの配管を通すスペースなどがあります。一度家の中に侵入したネズミは、これらの空間を通路にして、ほとんどの壁内、天井裏を移動することができるのです。
またネズミが入れないような穴や隙間、またはひび割れ箇所でもかじれるものであれば、かじって穴を広げて侵入してきます。小さな穴やひび割れ箇所も、発見したらすぐに補修しておきましょう。
5.学習能力が非常に高い
ネズミ駆除が根気がいり、困難だと言われるのは、この高い学習能力をもつ持ち主だからです。
ネズミ捕獲用のカゴや粘着マット等にネズミが捕獲されたら、すぐに始末しないと、次になかなか捕獲できないことが非常に多くあります。これは仲間のネズミが、捕獲されたネズミを見て、あのカゴや粘着マットは危険な罠なのだと学習しているのです。
そのため一般の方が駆除を行い、罠にかかったネズミは1匹、2匹程度が多いのではないでしょうか。集団で生活し、早いスピードで繁殖するネズミは、罠にかかるネズミ以上に増えていく可能性が高いでしょう。
6.環境への適応能力が高い
ネズミは、都市の複雑な構造物の中でもねずみが生息していないところはないと言ってもいい程で、人間が環境を変化させてきたのにも十分に適応してきました。
低い場所を好むドブネズミが天井裏で発見されたケースや、高い場所を好むクマネズミが下水周辺で活動していたケースなど、ネズミの環境適応能力は大変優れています。
忌避剤などもにおいても、最初は効いていても、なかなか効果がなくなってくるなど、何にでも適応してしまいます。
7.集団でなわばりを持つ
ネズミが家の中に侵入してくるのは、エサを求めてやってくるのと同時に、敵から自分や子ども達の身を守るための安全な場所で、寒さをしのぐことが出来る快適で暖かい場所だからです。
種ごとに好む空間が違い、ひとつの住宅でも、天井裏などの高くて乾燥した場所はクマネズミ、床下や水廻りなどの湿気の多い場所にはドブネズミとハツカネズミなどと、それぞれのなわばりをもちます。ひとつの集団は、最優位にたつオスねずみ1頭、メスねずみ多数、その子ねずみたちで構成されています。たとえ同族同士であっても他のなわばりに入れば追い出され殺されてしまいます。
8.繁殖力に優れている
ネズミは寿命が短いため、繁殖能力に優れています。「ネズミ算」「ねずみ講」という言葉があるように、一生のうち何度も子どもを産み、一度に多くの子どもを産むため、一度家に侵入されると、非常に早いスピードで数を増やしていきます。
ネズミ被害に気付いた時点で、出来るだけ早く駆除をすることをオススメします。
ちなみに「ハツカネズミ」の名前の由来は、妊娠期間が約20日間であるという説があります。それだけ早いスピードで成長し、数を増やすと言うことでしょう。
9.物陰に沿うように行動する
ネズミは警戒心の強い生き物です。そのため、部屋の中央を横切ったり、人間がいるばしょにわざわざやって来たりはしません。ただ、種によって警戒心に差があり、ハツカネズミは好奇心旺盛なためあまり人間を恐れませんが、クマネズミは特に警戒心を強くもっています。
警戒心に多少の差はありますが、物陰に沿うように行動する点はどの種も同じで、壁際や家具のすぐ傍を通り、部屋の隅から隅へと移動するという特徴があります。
ネズミが通った痕には〝ラットサイン〟と呼ばれ、黒く汚れがついているため、部屋の隅や窓際、家具などを注意してみるとネズミの通り道が特定できます。また駆除時のトラップの設置や、侵入口の特定にも役に立ちます。
一度家に侵入を許してしまうと大変厄介な存在です。
自力で対処するのが不安な場合は無理をせず、業者に対応してもらうことをオススメします。
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