ネズミが原因で起こる病気
ネズミが建物内に侵入すると、さまざまな被害が引き起こると言われていますが、その中のひとつに「病原菌を媒介する」というものがあります。病原菌を媒介することにより、人間に菌やウイルスが感染し、病気につながることがあるなど深刻な問題が発生します。
不衛生なネズミ
ネズミ自身やネズミの糞や尿などの排泄物には非常に多くの病原菌があります。ネズミから人間に感染する病気は、時に死に至ることもある危険な病気もあり、非常に深刻な問題のひとつです。
体中に病原菌を身にまとったネズミ自身が家中を活動し、ネズミは尿をたれ流しながら行動する習性があるため、病原菌を家中にまき散らしながら動き回っていることになります。さらにネズミに寄生するダニやノミによって菌やウイルスが人間に感染する場合もあります。
現代の日本の衛生環境では、危険な感染症などが大流行するすることはほとんどないだろうと考えられています。
しかし体の小さなネズミが、菌やウイルスをまき散らしながら家に潜んでいるのも現実です。
ネズミがもたらす病気
ネズミが運ぶ病原菌やウイルスによって、人間に感染する病気はとても深刻な問題です。
ここでは、ネズミが運んでくる病気について説明していきます。
ネズミに噛まれることで感染する病気
病名 | 原因菌 |
鼠咬症(そこうしょう) | 鼠咬症スピリルム・ストレプトバチルス |
ネズミに直接噛まれ、傷口に菌が入ることで感染する。 厳密には感染した原因菌によって〝鼠咬症スピロヘータ感染症〟〝モニリホルム連鎖桿菌感染症〟の2つに分類される。 傷口はただれ、39℃以上の高熱、頭痛、寒気などがあり、数日で熱は下がるが、数回発熱、頭痛、関節痛を繰り返す。 |
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アナフィラキシー症状 | |
体内の抗体が過剰な免疫反応を起こし、全身の腫れや息苦しさ、酷くなれば呼吸困難や意識障害などがあり、死に至る場合もある。 蜂に複数回刺されて発症するイメージがあるが、ネズミの場合の何度か噛まれることによりアナフィラキシーショックを引き起こす場合がある。 |
ネズミに噛まれた場合は、流水で傷口をよく洗い、消毒をするなどの応急処置をし、医療機関で診察を受けることをオススメします。
熱がいったん下がったとしても、鼠咬症が発症すると急な発熱や、傷が腫れあがって潰瘍になり、傷口の周りには発疹が出ます。また気管支炎などの合併症を引き起こすこともあるようです。
ネズミに直接触れなくても感染する病気
病名 | 原因菌 |
サルモネラ症 | サルモネラ菌 |
排泄物に多く含まれているサルモネラ菌が食べ物や手などに付着し、口に入ることで感染する。 腹痛・嘔吐・下痢などの急性胃腸炎などの症状があり、高齢者や乳幼児は重症化しやすく、重症の場合死亡するケースもある。 |
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レプストスピラ症 | レプストスピラ菌 |
主な感染源はドブネズミによるもので、ドブネズミの排泄物で汚染された水や土などのから皮膚感染する。 レプストスピラ菌は水中でも生きているため、川遊びや公園での水遊びなどによる集団感染が報告されている。症状や悪寒・高熱・筋肉痛・黄疸などで、重症化すると全身から出血し、死亡することもある。現在の日本ではこの感染は低下しているが、室内の限られた場所(特に台所など) |
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腎症候性出血熱 | ハンターンウイルス ソウルウイルス・ドブラバウイルスなど |
ネズミの排泄物を通して人体へ感染する。 発熱や腎不全による乏尿や多尿、ショック症状、頭痛、皮下および臓器における出血などの症状が引き起こる。重症化すると死亡することもある。 |
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腸チフス | チフス菌(サルモネラ菌の一種) |
ネズミの排泄物によりチフス菌に汚染された飲食物から感染する。 腹痛・頭痛・発熱・関節痛・血便などの症状があり、特に衛生環境が悪い場所で感染・流行する。 |
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E型肝炎 | E型肝炎ウイルス |
ウイルス性肝炎の一種で、腹痛・食欲不振・肝臓腫大・黄疸・関節痛などの症状がある。妊婦が感染した場合は劇症化しやすい。 |
ネズミに直接触れることなく、発見することが出来なくても、ネズミの排泄物によって感染する病気があります。
ネズミは尿をたれ流しながら行動する習性もあり、気付かない間に感染することも多くあるので注意が必要です。
ネズミに寄生するダニやノミから感染する病気
病名 | 原因 |
ツツガムシ病 | ツツガムシ(ダニの一種) |
ネズミに寄生するダニがヒトに付着すると、体液を吸われて発症する。 1~2週間ほど高熱が続き、頭痛や発疹などの症状を伴う。 |
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ペスト | ペスト菌 |
ペスト菌による全身性の急性感染症で、ネズミに寄生するノミを介してヒトへ感染する。 高い致死率や皮膚が黒くなることから黒死病と恐れられていますが、日本では1926年以降は発生していない。海外では未だ感染例があり、適切な処置を行わなければ呼吸困難により2~3日で死亡する場合がある。 |
ネズミから直接感染することはありませんが、ネズミに寄生するノミやダニによって感染する病気もあります。
イエダニはネズミの巣で繁殖をし、寄生するネズミが死亡すると新たに人間につき、吸血するなどすることもあります。
ご自身で駆除を行う場合などは特にこのような病気に感染する危険があり、駆除を行った後もしっかりと消毒を行いましょう。
ネズミを追い出すだけでなく、巣やフンの撤去はもちろん、周囲を消毒し健康被害を発生させないことが大切です。
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